「やる気を高める」という催眠術は茨の道に向かって背中を押しているだけだったりする件
「元予備校講師だから、生徒を励ますの上手でしょ?」
と言われることがあります。
いやあ、あんまり励ましたことないんですよ(笑)
ていうか励ましのボキャブラリーを持ってない。。。
企業研修やビジネスセミナーでも、
「仕事のモチベーションを上げる」とか「やる気を高める」みたいな
自己啓発的なこと、私は言わないですね。
そういう熱血、苦手なので。
たしかに励ましの得意な講師の方がウケるんですが、
私の使命じゃないと思ってるんですよ。
私の仕事は「自己啓発」ではなく「問題解決」なので。
「やる気が出ない」ときというのは、
何か引っかかっている問題があるときです。
スキルが足りないとか、苦手な人がいるとか、そもそも業務に欠陥があるとか。
その問題を解決せずに
熱い言葉とか好きな音楽とか催眠術とかで「やる気」だけ高めても、
茨の道に向かって背中を押しているようなもんです。
背中押す前に、茨を刈り取る方法を教えるべきだと思うんです。
上司との会話の苦手ポイントを解決したり、
デスク周りの作業環境を改善したり、
あやふやだった業界の知識を学び直したり。
身の回りの「ちょっと嫌なこと」「モヤモヤすること」を一つ一つ改善すれば、
楽になるし、成果も出るし、
そうなれば自然とやる気になります。
モチベーションを上げるのは
催眠術ではなく問題解決です。

20万部超のベストセラー参考書「小論文のオキテ55」シリーズの著者。「受験からビジネスまで使える汎用メソッド」として大手企業の社員研修にも多数登壇しています。朝日中高生新聞で「書ける×受かる!小論文」、朝日小学生新聞では「楽しく発表プレゼンハッピー」を連載中。