80人規模のセミナーになると
いろんな業種、職種、役職、年齢の人たちが
ごちゃまぜになっていることもよくあります。
こういうとき大事なのが
「全方位に話を振る」という配慮。
たとえばライティングのセミナーでは
「ここからの話は
新入社員のみなさんは、明日上司に怒られないコツとして、
管理職のみなさんは、部下に指導するポイントとして聞いてくださいね」
と一言添えると、
同じ話をしても人によって聞き方が変わるんです。
受講後の感想でも、いろんな職種、役職の方が
異口同音に「自分の仕事にピッタリの内容だった」と言ってくれます。
意外と、こういう小さいところで損している講師は多いんですよ。
たとえば製造部門の方がこんな感想を書いていたりします。
「営業向けの話ばかりで、自分には合わなかった」
ところが、講師はこう思っていたりするんです。
(たまたま営業マンを例に挙げたけど、
これは製造現場にも部下のマネジマントにも通ずる話でしょ?)
それ、言わないと通じないんです!
誰もが「察しのいい人、応用力のある人」とは限らないんです。
「あなたに関係ある話として聞いてくださいね」と言葉で指示しないと、
自分との接点に気づかないものなんです。
「全方位に話を振る」
これって、セミナー講師だけの話じゃなさそうですね。
著者やライターも同じです。
「期待と違ってた」なんてAmazonレビューを書かれないためにも
「あなたに関係ある話です」を示してあげる必要がありますね。
私もよくしくじりますが(笑)
「ビジネス国語」によって職場の諸問題を解決する研修講師。
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされたのをきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢される。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーに。
その後、所属予備校が業界最大手から陥落し全国の校舎を閉鎖、自身もリストラされる怒涛の数年間を経験。意思疎通のエラーで混乱していく組織を詳細に観察し「ビジネス国語」を体系化する。独立後は社会人教育に転身し、大手企業の社員研修に多数登壇。受講者との軽妙なやり取りは「研修というより、めちゃくちゃ役に立つエンタメ」と評される。
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