脱・下請けのパワーゲームは「年明けまでによろしく」を断るところから
「では、年明けまでにお願いします」
とか発注元から言われて
年末年始が潰れそうなフリーランスのみなさん、
お疲れ様です!!(笑)
個人であれ法人であれ、
企業から発注を受けて仕事をする場合、
下請け業者として扱われるか
プロとして依頼され対等な関係を築くか
というのは重要です。
精神衛生上も、値決めの上でも。
この発注側と受注側のパワーバランスを決める要素の1つが
「納期をいつに設定するか」問題なんです。
「週明けまでにお願いします」
というのは
「土日も働け」と言っているのと同じです。
次の工程から逆算して納期を決めていれば
「◯日の水曜日までに」みたいな言い方になるはず。
「週明けまで」というのは、
スケジュールは厳密に決めていないけど
とりあえず自分が出勤したとき揃っていれば安心だな
という担当者の自己都合なわけです。
もちろん、「週明け」と言われても
前倒しで金曜日には完成させて土日ゆっくりする
という人もいるでしょうが、
ここはパワーバランスの問題です。
間に合うかどうかではなく、
相手に決定権を与えていることが問題なのです。
これを放っておくと、
担当者によってはこちらに対する扱いがどんどん雑になっていきます。
行き違いがあったとき、一方的に責められたりもします。
だからどこかで線を引いておくべきなんです。
主導権を手放しちゃいけないんです。
声高に挑む必要もなく、相手にも気づかれにくいその一線が、納期決め。
納期を決める段階で、巧妙に主導権を奪いましょう。
まずは、締切の話になりそうになったら、先手を打って自分に都合のいい日を提案する。
(そのためには打ち合わせの前に自分の候補日を決めておく必要があります)
相手が「週明けに」とか言ってきたら、
「だったら◯日の方が・・・」とかなんとか言って、週明けにはさせない。
ときどき
「その日はちょっと難しいんです」というと、
「じゃあ次の週明けでもいいですよ」とか言われたりします。
一週間後でもよかったんかい!(笑)
問答無用で「週明け決定済み」の書類が来たら、
わざと前倒しして木曜日に納品し、
「明日までに返答お願いします!」と急かしましょう。
もちろん
こちらを対等な取引相手とみなしてくれる担当者には
そんな意地悪しなくていいですよ!(笑)
でも、
下請け扱いで嫌な思いをすることがあったら、
まずは納期決めで小さな小さな抵抗をしてみましょう。
これができたら、次は
仕様や値段に要望を出し、さらに横展開・・・と
「下請け」から「BtoBビジネス」に変わっていきます。

ビジネス書・受験参考書著者
株式会社キャリア・サポート・セミナー顧問講師
「ビジネス書著者のロジック✕予備校講師のわかりやすさ」を武器とする企業研修講師。
若手社員〜管理職の問題解決トレーニングのほか、広報・セールスライティングのコンサルティング、プロの著者を対象とした文章指導など幅広く活動。
公開セミナーでは満席御礼を連発し、「受講翌日に契約が取れた」「職場の人間関係が改善できた」「笑いと学びが濃密で3時間まったく飽きない」などの評価を得るほか、セミナーの内容をまとめたビジネス書『ミニマル思考 世界一単純な問題解決のルール』は韓国、台湾でも翻訳出版される。
代々木ゼミナール講師時代、ロジカルシンキングを高校生向けにアレンジした参考書『何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55』を出版。発売から6年連続Amazonカテゴリ1位、シリーズ累計20万部を超えるヒットとなり、2013年から2014年までNHK Eテレ「テストの花道」に小論文の先生として出演する。
1969年、青森県生まれ。東北大学大学院文学研究科修士課程修了(認知心理学専攻)。