チームを作るとき、
1 業務に合う人材を採用する
2 来た人を業務に合わせて教育する
3 来た人の個性に合わせて業務を変える
この3通りが考えられますが、
まあ、3を選ぶ人は少ないですかね(笑)
私はどっちかというと3が得意、というか好きなんですよ。
地方でアマチュアバンドをやっていると、
メンバー集めに苦労します。
プロを目指す人が集まってくる東京とは違うんですよ。
メッチャ上手いドラムとベースが入ってくれたものの、
2人とも消防士だったため
大きなイベントでは音楽隊のパレードとかぶってバンドの方には出られない、なんてことも(笑)
そんな中、ルックスだけで採用した男の子がいました。
身長180超の長身で、色白で赤い髪をしていて、
なぜかスカートを履いている。
それまで自分の周りにいなかったタイプなので、見た目で即決しました。
で、彼を迎えた初スタジオで発覚したんです。
全然、ベース弾けねえじゃん!!(笑)
前の日に電話で「練習してます。大丈夫っす」とか言ってたの、ウソでした。
面白いやつが来たなあ!
他にも生活すべてがデタラメなヘタレキャラの男だったんですが、
いい音楽を聴いたときの反応が素直でセンスいいと思ったので、
それを活かそうと思いました。
彼のアドバイスで私も髪型と衣装を変えて、
人生初、おしゃれパンクになりました(笑)
(ビビアン・ウエストウッドとかヒステリックグラマーとか、初めて知りましたよ)
「なぜここ半音下げる???」間違って弾いているのかと思った部分、
あとから聴くと、確かにイケてるんです。
デジタルMTR(マルチ・トラック・レコーダー)で録音作業中だったので
「好きに使っていいよ」と言ったら、
本当に一晩中いじって、自分のベースのパートを完成させちゃいました。
人生で初めて「集中」というものを体験したらしいです。
彼の加入で、バンドのルックスも音楽性も想定外の方向に大きく変わりました。
そして「華」が出てきたんです。
(それまで華がなかったことに、ようやく気づきました・笑)
いわゆるファンの子たちも増え、
コンテストでも勝ち抜くようになり、
いろんなイベントに呼ばれるようになりました。
ベース弾けない問題児でしたけど、
彼を入れたことで初めて見えた風景がたくさんありました。
楽しい冒険ができました。
「優秀な人材」に恵まれないときは、
思いきって「問題児を活かす」という道も
面白いものです。
「ビジネス国語」によって職場の諸問題を解決する研修講師。
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされたのをきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢される。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーに。
その後、所属予備校が業界最大手から陥落し全国の校舎を閉鎖、自身もリストラされる怒涛の数年間を経験。意思疎通のエラーで混乱していく組織を詳細に観察し「ビジネス国語」を体系化する。独立後は社会人教育に転身し、大手企業の社員研修に多数登壇。受講者との軽妙なやり取りは「研修というより、めちゃくちゃ役に立つエンタメ」と評される。
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