うちの子たちは「クリスマス=サンタの日」で、
「キリスト? 何それケーキの仲間?」と罰当たりなこと言ってます。
そんな、自分の誕生日なのに影の薄いイエス・キリストですが、
日本でもっと影が薄いのは
バプテスマのヨハネかもしれません。
(弟子で福音書を書いたヨハネとは別の人物)
洗礼者ヨハネともいいます。
英語だとJohn the Baptist。
石巻市にある帆船サン・ファン・バウティスタ号(San Juan Bautista)も「洗礼者ヨハネ」という意味です。
日本ではほぼ無名に近い人物ですが、
西洋の絵画では赤ちゃんの頃のキリストといつもいっしょに描かれています。
ラファエロ『小椅子の聖母』 出典:ウィキメディア・コモンズ
イエスのいとこで、
イエスより先に宗教家として名を成し、
イエスを「救世主」として民衆に紹介するという、
超重要人物です。
もっとも途中で
王様の怒りを買って投獄、処刑されてしまうんですが。
実は、
イエスが民衆相手に宣教を始めるのは、
「ヨハネが逮捕された直後」なんです。
弟子を一人ひとり地道にスカウトし、
病人を治したり湖の上を歩いたりと民衆ウケしそうな奇跡を連発します。
その結果、出る杭が打たれて十字架にかけられるわけです。
どぶ板営業です。
あとを継いだ弟子たちも苦労の連続です。
さて、ここからは「もしも」の話。。。。
もしも、
ヨハネが処刑されなかったら、
イエスはこんな苦労をしたでしょうか?
既に信者をたくさん抱えているヨハネの教団に「営業」をかけて
ヨハネが持っている「リスト」をシェアすれば天下を取れたはずなんです。
BtoBですよ。JV(ジョイントベンチャー)ですよ。
ところが、途中でキーマンが逮捕、処刑されてしまい、
ジョイントベンチャーは頓挫。
しかたないのでプランBとしての
どぶ板布教をするしかなかった。BtoCです。
バプテスマのヨハネについての福音書の記述が不自然に多いのも、
イエスが「ヨハネなんか天国には行けねえよ(意訳)」と悪口を言っているのも、
ヨハネとのジョイントベンチャーに失敗したことが
よほど大きな痛手だった証拠だとすると、筋が通るんです。
どぶ板営業の前にリストホルダーを狙え。
国家権力には用心しろ。
個人より法人とつきあう方が安全だ。
人によっていろんな教訓が読み取れるかもしれません。
さすが聖書。奥が深い。。。
さて、今宵はクリスマスイブ。
せっかくなので、子どもたちには
サンタではなくイエス・キリストの話を
ちゃんと教えておこうと思いました。
「むかしむかし、バプテスマのヨハネって人がいてね・・・」
「何それ入浴剤の仲間?」
みなさんも、よいクリスマスを!!
「ビジネス国語」によって職場の諸問題を解決する研修講師。
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされたのをきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢される。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーに。
その後、所属予備校が業界最大手から陥落し全国の校舎を閉鎖、自身もリストラされる怒涛の数年間を経験。意思疎通のエラーで混乱していく組織を詳細に観察し「ビジネス国語」を体系化する。独立後は社会人教育に転身し、大手企業の社員研修に多数登壇。受講者との軽妙なやり取りは「研修というより、めちゃくちゃ役に立つエンタメ」と評される。
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