1.25%の「不満」コメントをあえてスルーせずに掘り下げてみた件
セミナー受講後のアンケートというのがあります。
「本日のセミナーはいかがでしたか?
5:満足 4:やや満足 3:ふつう 2:やや不満 1:不満」
ここで
「1:不満」とかに◯がついていると
正直、グサッとくるものです(笑)
もっとも、
定員80人のセミナーで
79人が「5:満足」「4:やや満足」で
たった1人が「1:不満」(1.25%)だと
「たまには例外もあるよね」
なんて片付けることもできます。
事務局がアンケートを集計するときも「例外」として省かれると思います。
ところが今年、
3回続けて「1:不満」が1名ということがあったんです。
コメント欄にも
「グループワークはうざい」とか
子どもみたいに投げやりな感想が。
しかも
3回とも、同じ会社の方。
こうなると、凹むどころか
興味沸きますね。
「一体、どんな会社だろう???」
調べてみました。
すると案の定、転職サイトには辞めた社員たちによる恨みのコメントが。
見えてきましたよ。
理不尽な職場でストレスを溜めて、
半ば強制的にセミナーを受講させられ、
聞く気にならない上に、温度差のある隣の人とグループワークをさせられる。
そんな3時間。
キツいわけですよ。「1:不満」というのもわかります(笑)
そこで次のセミナーでは、
その会社の方「たった1名」をターゲットにしました。
(名札がないので、会場の中の誰なのかはわからないんですけどね)
コンテンツ自体はいつもと同じですが、
事例やエピソードを「会社の理不尽あるある」シリーズにしてみたんです。
転職サイトに書かれてあった恨み言に答える感じで。3時間。
そして、受講後アンケート。
その会社の方から、「5:満足」をいただきました。
コメント欄には、要約すると「心が軽くなりました」と。
それだけではなかったんです。
同じ話が刺さったというコメントを
他の会社の方からも多数いただきました。
「例外」じゃなかったんですよ!
ネガティブな感想って、
悪意とか意地悪とかではないんです。
何か解決してほしいことがあるんですよね。
それがたった1人、1.25%だとしても
おそらくその背後に同じ悩みの方が何人もいるはず。
「例外=少数意見」としてスルーするよりも
「例外=潜在的ニーズ」として掘り下げてみると
新しい発見があるものですね。

ビジネス書・受験参考書著者
株式会社キャリア・サポート・セミナー顧問講師
「ビジネス書著者のロジック✕予備校講師のわかりやすさ」を武器とする企業研修講師。
若手社員〜管理職の問題解決トレーニングのほか、広報・セールスライティングのコンサルティング、プロの著者を対象とした文章指導など幅広く活動。
公開セミナーでは満席御礼を連発し、「受講翌日に契約が取れた」「職場の人間関係が改善できた」「笑いと学びが濃密で3時間まったく飽きない」などの評価を得るほか、セミナーの内容をまとめたビジネス書『ミニマル思考 世界一単純な問題解決のルール』は韓国、台湾でも翻訳出版される。
代々木ゼミナール講師時代、ロジカルシンキングを高校生向けにアレンジした参考書『何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55』を出版。発売から6年連続Amazonカテゴリ1位、シリーズ累計20万部を超えるヒットとなり、2013年から2014年までNHK Eテレ「テストの花道」に小論文の先生として出演する。
1969年、青森県生まれ。東北大学大学院文学研究科修士課程修了(認知心理学専攻)。