雇われ講師を卒業して、
自分のブランドで食っていきたい。
そんなことに目覚めた知人の相談に乗ることが増えてきました。
講師としていままでとは違うフィールドに挑めそうな人もいれば、
本を出せそうな人もいれば、
ぜんぜん違う職業がありそうな人もいますが、
「とりあえず何かアウトプットを始めましょうよ」
とアドバイスすることが多いです。
「資格取ったり、勉強したり、インプットするべきですよね?」
「いや、その前にアウトプットです。ブログを始めて下さい」
こんな感じです。
「何屋で食っていくべきか問題」というのは、独立するときの最大の課題になります。
いままで雇われ講師として与えられた科目をこなしていた人は
「自分は何の専門家なのか」がなかなか見つからないんですよ。
受験英語を教えていた人が「英語の専門家」とは限らない。
もしかしたら「教育」とか「コーチング」が強みかもしれないし、
英米の文化や歴史に詳しいのかもしれないし、
六本木で外国人の女性をナンパするコミュニケーション能力かもしれない。
「何の専門家なのか」とは
「いままで何を仕事にしてきたか」ではなく
「何なら他の人に勝てるのか」なんです。
どうですか?
すぐには思いつかないでしょ?
なぜなら、自分の専門性というのは
あれこれアウトプットすることで定まってくるからなんです。
アウトプットしてみると、ウケる話、ウケない話がわかってきます。
ついつい調べて深掘りしたくなるネタもあれば、気の進まないネタもあります。
発信するときの文体も、いろいろ試して落ち着くものです。
そうやって合わないことが淘汰されていった結果、
自分にしか語れず、誰にも負けないニッチな分野が見つかるんです。
「準備ができてからアウトプット」ではないんです。
「アウトプットこそが準備」なんです。
こういう理屈なので、
「何の専門家なのかを決めてから、スタートしよう」なんて考えていると、
いつまで経ってもスタートできません。
そのうち、講師としての賞味期限が切れます(怖っ)
仮に、
悶々と自分の頭だけで考えて、
5年後ようやく自分の専門分野が決まったとします。
でも、そこから何を始めても
「専門家としてのキャリアはゼロ」
なんですよね。
だとしたら、
見切り発車でブログでも何でも初めておいて、
自分の売りが決まったときに
「もう5年もやってます」
と言える体裁を作っておいた方がいいんです。
まずはブログを立ち上げて、
自分が持っているコンテンツを全部出しきってみましょう。
自分が何屋なのかを考えるのは、それからです。
「ビジネス国語」によって職場の諸問題を解決する研修講師。
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされたのをきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢される。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーに。
その後、所属予備校が業界最大手から陥落し全国の校舎を閉鎖、自身もリストラされる怒涛の数年間を経験。意思疎通のエラーで混乱していく組織を詳細に観察し「ビジネス国語」を体系化する。独立後は社会人教育に転身し、大手企業の社員研修に多数登壇。受講者との軽妙なやり取りは「研修というより、めちゃくちゃ役に立つエンタメ」と評される。
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