ある専門学校から「話し方研修」のオファーをいただいたときの話です。
その業界では最も歴史の古い専門学校なのですが、
近年、新しい学校が増えて学生の奪い合いになっている。
学校説明会などで営業マンが上手に話せるようにしてほしい。
というご依頼だったんです。
そこで営業のみなさんに
プレゼンを見せていただきました。
すると、
話し方は特に問題ない。
でも何となく、弱いんです。刺さらないんです。
実習の設備がどうの、英会話の授業がどうの、学生生活のケアがどうのと、
これは・・・ライバル校もほぼ同じ話をしていると思われます。
この学校が差別化できるところって、そこですか?
試しに質問してみました。
「あのー、こちらの学校の卒業生で
一番偉くなっている方って、どんな方ですか?」
すると
「そりゃあ・・・いろんな会社の経営陣とかになってるんじゃないですかね?」
「いろんなって、どの会社のどの役職ですか? 誰ですか?」
社員さんがあやふやだったので、
役員の方に伺ってみました。すると、
出るわ出るわ、
誰もが知っている数々の有名企業の経営者、役員クラスに
この学校の卒業生がゾロゾロと!
業界で一番歴史が古いということは、卒業生の年齢が高いということです。
新規参入組がどんなに設備投資しても、絶対かなわないのがこの部分。
圧倒的優位性というやつです。
財務諸表には載っていない、最大の資産です。
学生さんにも親御さんにも
「この学校を出たらこんなに偉くなれるんだ!」と思っていただけたら勝ち。
ならば、偉くなった卒業生からコメントもらってきましょうよ!
話し方のレッスンやってる場合じゃない(笑)
「話し方研修」という当初のご依頼とはかけ離れた展開になりましたが(笑)
ここ掘れワンワン!と埋蔵金を掘り当てるには
外部の人間の方が鼻が利くこともあるようです。

合同会社ロジカルライティング研究室 代表
ベストセラー参考書「小論文のオキテ55」シリーズ著者
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされた敗北感をきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢され、NHKの教育バラエティ「テストの花道」にも出演。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーとなる。
現在は社会人教育に転身し、製造、IT、建設、エネルギー業界を中心に大手企業60社以上の社員教育に携わる。「受講した翌日、契約が取れた」「険悪だったリームの雰囲気が変わった」など即効性のあるノウハウが支持される。
「世のつまらねえ研修を撲滅し、楽しく学べて役に立つ魔法に変える」がモットー。