最近、「Coder(コーダー)」という言葉を知りました。
ゲームでもアプリでも何でも、
プログラムの全体像を設計する人がいて、
その設計図を元にコード(プログラミング言語)を打ち込む人がいる。
この打ち込む人を「コーダー」と呼びます。
つまり一口に「プログラマー」といっても
「設計する人」と「打ち込む人」がいるわけです。
それを知って、腑に落ちたことがあります。
「プログラマーは引く手あまたで高収入」と言われる割に
「儲かって人生楽しくてワハハハハ!」という人をあまり見かけないんですよね(笑)
むしろ疲れていたり心病んでたり、という人が多いような気がしていたんです。以前から。
そうなんです。
プログラマーという職種自体は可能性の大きい仕事だとしても、
その中でコーダーに収まっている限り、「下請け」なんですね。
どんな業種でも下請け、孫請けになるほど
仕様の変更などに振り回され、取り分も減ります。
自分の持ち味を出す余地もなくなります。
それに、AIが進歩すると
人工知能に直接関わるプログラマーは必要とされるでしょうが、
おそらく「コードを打ち込む作業」こそ真っ先にAIに取って代わられるでしょう。
ということは、
「プログラミング教育」といっても
コーダーを増やすのではなく、
仕様を設計できる人を増やすことを目指さないと
ワーキングプアを増やしかねないわけです。
日本からマーク・ザッカーバーグを生み出すことにはならないんです。
そう考えたら、
小中学生のうちからプログラミング言語を教えたり
既成品の「プログラミングで動かせるロボット」なんかを与えるよりも
ダンボールやビー玉でピタゴラ装置を作らせたり、
起業の模擬体験をさせる方が
役に立つんじゃないかと思います。
シリーズ累計25万部のベストセラー参考書「何を書けばいいかわからない人のための 小論文のオキテ55」の著者。代々木ゼミナール小論文講師を経て、現在は文章力トレーニングの専門家として大手企業の社員研修に多数登壇。合同会社ロジカルライティング研究室代表。