昨日亡くなった高校時代の恩師?、K先生。
怖い人だったんですよ(笑)
ゴルゴ13っぽい風貌です。
英語の先生なのに数学で黒板に図を描くときに使う大きな定規を持ち歩いていて、
頭をカチ割られます。
定規の面のところでペタンじゃないですよ。
刀でいうと刃の部分で思いっきり。
宿題を忘れたりすると、昼休みに呼び出されます。
「おまえ、何ページだ?」
「26ページです」
ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!
と26回。
ページ「数」じゃないんですよ。割り当てられていたページ「番号」です。
なので3ページ目から10ページやってなくても3回。
84ページ目のたった5行だとしても84回です。
理不尽ではありますが、ルールは明朗(笑)
ずっと同じところを叩かれていると血が出るので、
こちらも少しずつ頭を動かして、頭皮にまんべんなく当たるようにしてました。
ちなみに、K先生の刑罰は男子も女子も平等です。
授業中、当てられて間違えたりすると
「はい、10回」
何が10回かというと、
自分で自分の頭を机にゴンゴンと10回打ちつける!
(ためしにやってみてください。「痛い」の前に結構「怖い」です)
音が弱かったりすると、
「聞こえねーな。あと30回」
増やされます。
悲劇だったのは、うちのクラスのカンベ君。
「dangerous」を「ダンゲロス」と読んでしまい、
「はぁ?! 300回!」
ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!・・・・・・
授業が淡々と進んでいるあいだ、
教室の片隅で最後までゴン!ゴン!ゴン!ゴン!・・・と鳴り続けていました。
当時、私は黒のコンバースの靴ひもを赤と黄色の左右色違いにしていまして、
ある日、K先生に見つかりました。
「ゴルァ!何だその靴ひもぉ!
おめえみたいな奴をなあ、色キチガイっつーんだよ!!」
髪の毛わしづかみで、机に頭をガンガンガンガン打ちつけられました。
あのときは頭蓋骨が割れるとホントに思いましたよ(苦笑)
そんな恐ろしいK先生ですが、
ときどき恩赦のようなものがありまして。
英語の教科書に「エーデルワイス」の楽譜が載っていて、
「これ歌った奴は50回免除」って言うんです。
なんというビッグチャンス!!
1週間は痛い思いをせずに済みます。
カンダタにお釈迦様が垂らしてくれた蜘蛛の糸ですよ!!
そこに、「はいっ!」と真っ先に手を上げたのがマツオ君。
「自分で訳してきた韓国語で歌います」といって
応援団員のデカい声量で歌い始めました。
エーデルワーイス、エーデルワーイス!
ナントカカントカ、ハームニーダー!
これにはK先生も大爆笑して、
「いいなあ! 100回免除!!」
マツオ君、こんなこともあろうかと密かに準備をしていたそうです。
いまの時代では絶対アウトなK先生。
不思議なことに、卒業生からは一番慕われていました。
教養人というか博識だったので
面白くてためになる話もたくさんしてくれて、
何だかんだ言いながら、みんな英語できるようになりました。
「K先生のおかげで勉強が好きになった」という人もたくさん。
いまでも青森の高校に行くと、
先生がK先生の被害者、いや教え子ということも多くて
当時の話に花が咲きます。
世代を越えた共通言語(笑)
コンプライアンスにうるさい現代では絶対アウトな人でしたが、
だからこそ、
愛と教養と遊び心のある暴力教師に出会えたことは
とっても貴重で、幸運だったと思います。
K先生のご冥福をお祈りいたします。
<メルマガ【ミニマル思考カフェ】2019.10.31 Vol.0429>
「ビジネス国語」によって職場の諸問題を解決する研修講師。
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされたのをきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢される。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーに。
その後、所属予備校が業界最大手から陥落し全国の校舎を閉鎖、自身もリストラされる怒涛の数年間を経験。意思疎通のエラーで混乱していく組織を詳細に観察し「ビジネス国語」を体系化する。独立後は社会人教育に転身し、大手企業の社員研修に多数登壇。受講者との軽妙なやり取りは「研修というより、めちゃくちゃ役に立つエンタメ」と評される。
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