「高校生に社会問題の解決策を求めるのは無理だろ」という意見について考えてみた件
代ゼミ時代、
小論文を「問題解決のアイデアを出す文章」と教え始めたとき、
同業者の反応はこうでした。
「高校生にそこまで求めるのは無理でしょ」
たしかに高校では教わらないので「学習指導要領の範囲外」なんですが、
その「範囲外」を出してくるのが5教科に縛られない「小論文」という科目なわけで。。。
ていうか、高校生には早いなら、
いつになったら問題解決できるようになるんでしょう???
大学でも教えてくれないんですよ。
なのに社会人になったら急に要求されるのが問題解決です。
お客様の問題解決を考えないと、企画も営業も始まりません。
職場の問題解決を放置するから、ブラック職場ができあがります。
ビジネスモデルの問題解決をせずにノルマとコストカットだけ強いると、現場が不祥事を起こします。
いくつもの選択肢を出して、その中から最も合理的なものを選ぶ。
その方法論を知らずに仕事も人生もうまくいかない大人って、たくさんいます。
起業家として成功している人たちに会うと、
身の回りのいろんなことに対して
「この不便はこうしたら解決できないかな?」
「これを使ったら、世の中のこんな問題を解決できんじゃね?」
「これで悩んでいる人って何百万人もいるから、ン億円のビジネスになるぞ」
頭の中が常に問題解決モードなんですよね。
(もちろんアイデアを出したあと、実際にビジネスとして実現するのは別のステージの話になりますが)
そういえば高校生も
自己流の勉強法や暗記法を工夫したり
部活の運営や練習法を工夫したり
モテるためにファッションを工夫したり、
LINEの便利さと煩わしさの間で葛藤したり、
問題解決の「芽」はあるじゃないですか。
なので、その事例で教えれば「そうそう!」と乗ってきます。
「高校生だから無理」とかいって
人生で一番大事な学びを邪魔する大人は
そもそも自分でアイデアを出したことのない人なんじゃないかと思います。
<メルマガ【ミニマル思考カフェ】2019.5.19 Vol.0264より>

シリーズ累計25万部のベストセラー参考書「何を書けばいいかわからない人のための 小論文のオキテ55」の著者。代々木ゼミナール小論文講師を経て、現在は文章力トレーニングの専門家として大手企業の社員研修に多数登壇。合同会社ロジカルライティング研究室代表。