アウトソーシングで企業がスリム化した結果、日本社会全体が「大企業病」になってしまった件
最近、何人かの人たちと「下請け」について語ることがありまして。
(ライターとかイラストレーターとかプログラマーとか講師とか)
あ、正確には「下請け」と「業務委託」は別物です。
A社がB社に仕事をさせるのは「業務委託」。
その仕事をB社がさらにC社に回すと「下請け」。
ですが、一般的には
A社とB社が対等でWin-Winの関係のとき「業務委託」、
B者の立場が弱く、従属的な関係のとき「下請け」
てな意味合いで使っている方が多いと思います。
(私も今回調べるまで「弱いのが下請け」と思っていました)
今日の話は、この「弱い立場」という意味での下請けについてです。
「この金額、内容、納期で、文句言わずやってください」
いやー、その金額じゃこっちの利益ないでしょ。
その納期じゃ徹夜しなきゃだし。
てか、この案件ってそもそものコンセプトがズレてません?
もっといいアイデア、ありますよ!
「でも先方からの要望はこっちなんで。(終了)」
出たよ、これ。
「A社→B社→C社」の中で
最終的に仕事をするC社が
どんなにプロ意識を持っていても、
B社がA社に対し「仕事ください」的な営業をしていると
C社の声がA社には届かない。
これって、トータルで見ると
大企業の風通しの悪さに似ています。
いや、むしろ
B社が受注する段階で
「コンペに負けたら、食っていけない」なんて必死になる分、
タテ社会の大企業病がむしろ強まっているかもしれません。
何でもアウトソーシングして企業が身軽になっても、
社会全体では
大企業病がますます悪化している。
日本の生産性が低いままなのは、この下請け制度のせいかもしれません。
組織の内部でも、外注でも、
ゴールを共有して対等に意見を出し合える
Win-Winの関係がいいですね。
<メルマガ【ミニマル思考カフェ】2019.4.28 Vol.0243より転載>

ビジネス書・受験参考書著者
株式会社キャリア・サポート・セミナー顧問講師
「ビジネス書著者のロジック✕予備校講師のわかりやすさ」を武器とする企業研修講師。
若手社員〜管理職の問題解決トレーニングのほか、広報・セールスライティングのコンサルティング、プロの著者を対象とした文章指導など幅広く活動。
公開セミナーでは満席御礼を連発し、「受講翌日に契約が取れた」「職場の人間関係が改善できた」「笑いと学びが濃密で3時間まったく飽きない」などの評価を得るほか、セミナーの内容をまとめたビジネス書『ミニマル思考 世界一単純な問題解決のルール』は韓国、台湾でも翻訳出版される。
代々木ゼミナール講師時代、ロジカルシンキングを高校生向けにアレンジした参考書『何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55』を出版。発売から6年連続Amazonカテゴリ1位、シリーズ累計20万部を超えるヒットとなり、2013年から2014年までNHK Eテレ「テストの花道」に小論文の先生として出演する。
1969年、青森県生まれ。東北大学大学院文学研究科修士課程修了(認知心理学専攻)。