■講演タイトル
「外国人従業員とのトラブルが9割なくなる グローバル時代のコミュニケーション術」
■対象受講者
・外国人スタッフの管理に悩んでいる経営者、管理職
・外国人スタッフとの関係に悩んでいる一般社員
・これから外国人を雇用しようと考えている経営者
■コンセプト、メッセージ
「言われたことしかやってくれない」
「上司の指示もお客様の注文も、よく間違える」
「何か知らんが、荷物をまとめて出ていってしまった」
年々増える現場の外国人従業員。それにともない日本人上司と外国人従業員との間のトラブルも目立つようになってきました。
文化の違いだから仕方ない?
言葉が通じないから仕方ない?
いいえ、実は外国人従業員が思い通りに動いてくれないケースの9割は、文化のせいでも言語のせいでもありません。
日本人上司による「日本語の指示」に原因があるのです。
「例の件、適当にアレしといて」
何をどうすればいいのか、日本人でもわかりません。
「外の荷物、Aだったら中に入れといてね」
もし荷物がBだったら、放置するのか、別の場所に移すのか?
「察してよ」「ちょっと考えたらわかるでしょ」「空気読め」は
このグローバルな時代、通用しないのです。
私は20代の後半、代々木ゼミナールで国語講師を務める傍ら、フリーランスとして翻訳業もおこない、さらには仙台の国分町で露天商のマネジメントにも携わっていました。道端でシルバーのアクセサリーを売っている外国人たちのグループです。
昼間は予備校で「論理的で正しい日本語」を教えながら、夜は自己主張の激しいイスラエル人たちと英語、ヘブライ語混じりで売上の分配を交渉し、合法的に店を出せる場所を探して地権者と交渉し、住んでいるアパートの大家さんとの間に入って双方の苦情を聞く、といった毎日を送っていました。
そこで悟ったのは、「こじれる原因は日本文化ではなく日本語だ」ということです。
断定を避けたり、言葉を省略したりする日本語特有の言い回しが、外国人から見ると「隠し事をしている」「ちゃんと伝えてくれない」という不信感、いえ誤解につながるのです。
のちに、そういった仕事における会話のズレや誤解をネタにして、『仕事に必要なのは「話し方」より「答え方」』(2013年 KADOKAWA)という本を出版しました。この本は台湾・中国でも翻訳出版されています(繁体字版タイトル『回話的藝術』、簡体字版タイトル『最漂亮的回答』)。
「誤解なく、正しく伝える技術」というのは言語に関係なく世界共通ルールなのです。
本講座では、まず日頃「正しく伝えること」がいかにおろそかにされているかを体験していただき、ビジネスの現場で特に外国人が誤解しやすいケースを実例でご紹介、そしてスムーズに仕事を進めるための「指示の出し方、説明の仕方」や細かいコミュニケーションのコツをお伝えします。
外国人を雇うからといって、「中国語のマニュアルを作ろう」とか「日本人社員に英語を学ばせよう」と急いではいけません。曖昧な日本語を直訳しても、「曖昧な外国語のマニュアル」が出来上がるだけですから。
まず必要なのは、日本人スタッフが「日本語」を正すこと。ロジカル・コミュニケーションを身につけることです。
■内容
1.「伝わらない」「誤解される」には理由がある
1)相手に欠けている情報は何か?
2)危険なのは「2通りに解釈できる言葉」
3)情報がバラバラで、関係性が見えない
4)小さな言葉のミスで「論理性に欠ける」印象に
2.その質問の意図、正しく伝わっていますか?
1)「おまえ、本当にできるのか?」確認のつもりが「パワハラ」と訴えられる
2)「それって、どういうこと?」だけでは、何につまずいているのかが伝わらない
3)「なぜ?」には「原因」と「目的」があるので会話が噛み合わなくなる
3.組織をうまくまとめるビジネス会話の技術
1)「君の意見は?」で答えに困る本当の理由
2)問題提起には優先順位がある
3)会議をこじらせる人たちの共通点
4)「心がけよう」と呼びかけても組織は変わらない
■講師プロフィール
鈴木鋭智(すずき えいち)
代々木ゼミナール講師時代、「笑えて、身につく小論文」の講義スタイルが人気となり、NHK Eテレ「テストの花道」に出演。参考書『何を書けばいいかわからない人のための 小論文のオキテ55』はシリーズ15万部のヒットとなり、台湾でも翻訳出版される(中国語版タイトル『寫作的技術』)。
2014年、「学校では教えてくれないビジネス国語」としてSMBCビジネスセミナーに登壇。これを機に社会人教育の世界に転身する。
公開セミナーでは満席御礼を連発し、「受講翌日に契約が取れた」「職場の人間関係が改善できた」「笑いと学びが濃密で3時間まったく飽きない」などの評価を得るほか、セミナーの内容をまとめたビジネス書『ミニマル思考 世界一単純な問題解決のルール』は台湾、韓国でも翻訳出版される。
1969年、青森県生まれ。東北大学大学院文学研究科修士課程修了(認知心理学専攻)。