「公務員試験 無敵の論文メソッド」(実務教育出版)
2016年2月刊行
公務員採用試験の論文といえば、従来は「行政がすでに行っている施策を事前に調べてうまくまとめる企業研究的なもの」と受験者の間で信じられていました。
だから受からなかったのです。論文という科目を得点源にできなかったのです。
行政が求める「優秀な人材」とは「すでに実施され公表されている施策を熱心に調べて『素晴らしい取り組みですね♪』とヨイショする人」ではありません。
求められているのは「まだ未解決の社会問題にいち早く気づき、有効な解決策を考え出せる人」。
いくら文章の「書き方、まとめ方」を練習したところで、「問題発見、問題解決」の思考法を身につけていなければ論文試験で評価されることはないのです。
本書では公務員試験でよく出題されるテーマ(人口減少社会、待機児童問題その他)について「ガッカリ答案」と「スッキリ答案」を対比。受験者が陥りがちな「ズレた考え方」とそれが間違っている理由まで理解できるように構成されています。
実はこの本、「公務員試験」と銘打っていますが、大学入試にも対応しています。
特にセンター試験廃止後の新テストは本書の第5章に掲載した問題に近いものになると予想されています。
拙著『小論文のオキテ55』(KADOKAWA)の「上級編、実践編」としてもご利用下さい。
【目次】
はじめに
本書の特徴と使い方
第1章 論文試験、何を書いたら受かるのか?
そもそも、何を書いたら「論文」なのか?
受験者の7割が陥る「施策まとめ答案」
「行政への提言」と「行政批判」の境目は?
「模範解答」を丸暗記すれば大丈夫?
君の価値観なんて聞いてない
やる気、人間性は○○でアピールしよう
知識で飾り立てた「カモフラージュ答案」
「論文試験は水モノ」という都市伝説
「アイデアがひらめく」本当の仕組み
コラム 土下座就活はやめよう
第2章 頻出テーマで問題解決のトレーニング
人口減少社会 人口を増やさないと自治体が消滅する?!
格差社会 富裕層を懲らしめて不公平をなくそう?
民間への業務委託 これでサービスも採算もバッチリ?
情報化社会 誰もがパソコンを使いこなす社会?
待機児童問題 イクメンが増えれば解決する?
地域コミュニティ 昭和の下町風情を取り戻そう?
働き方、労働観 ワークライフバランスで仕事も充実?
現代の若者像 「草食系男子」を肉食化するには?
コラム 反論を恐れるな
第3章 デキる公務員になるための問題解決メソッド
問題解決には順序がある
それって、問題ですか?
それって、誰にも実害のないことですか?
原因を人の心に求めない
過去を悔やんでも解決しない
罰則よりクールな解決策
ペンギンのために木を植えるな
社会問題の9割は「ジレンマ」だ
「お金がかかる=デメリット」とは限らない
コラム 思考のノイズを削ぎ落とそう
第4章 受かる答案に仕上げるための書き方マニュアル
意外と知らない原稿用紙のルール
段落分けの基本は「3ブロック構成」
「起承転結」「序論・本論・結論」はなぜダメなのか?
体験談が求められたら?
「1000字の壁」を超えるには?
「学生っぽい文章」はこれが原因
カジュアル言葉、フォーマル言葉
コラム 書くスピードと時間配分
第5章 引っかけ注意! データ問題はこう解く
データ問題には「ズバリ正解/不正解」がある
『出題者の意図」を見抜くには?
グラフの背後には「意外な真実」が隠れている
相関と因果関係を混同しない
あとがき