朝から下の子がママと喧嘩してるんですよ。
「そんなルール、ボク知らないっ!」
彼が言うには、
ママが「歯磨き終わったら(ゆうべ録画した)ドラえもん見せてあげる」と言っていたのに、
歯磨きしている間に「あとでね」に変わったというんです。
騙された! 勝手にルールを変えられた!
と怒っていたんです。
(最近、「ルール」がマイブームのようです)
でも「一方聞いて沙汰するな」ともいいますから、
ママにも事情聴取してみました。
すると、ママが言ったのは
「歯磨き終わったらドラえもん見せてあげる。
でも朝ごはんは洗濯物干したあとでね」
だったんです。
ドラえもんの話と朝ごはんの話を
同時に言われたので、
「ドラえもんは あとでね」に聞こえてしまったんですね。
人間は、半分しか話を聞かない生き物です。
「ちゃんと指示したじゃないか!」
「すみません!(聞いてないんだけどなあ。。。)」
みたいな行き違いは大人の間でもよくあります。
能力や年齢の問題ではないんです。
他の事に気を取られているときにあれこれ言われても
全部を正しく聞き取ることはできません。
慣れていない人(新人、バイト、外国人)だと、
1つ目の指示を理解しようとしているところに
次の指示を言われたら、そりゃ混乱します。
国民みんなが長時間残業と睡眠不足で
常にボーッとしている日本企業ではなおさら
「人は半分しか聞かない」という前提で話すしかありません。
指示は一度に一つだけ。
いま言わなくていいことは言わない。
職場が多様化するほど、
誤解や聞き漏らしを防ぐ工夫が必要になります。
もちろん、プレゼンやスピーチでも
余計な言葉を思いついて付け足さないように気をつけましょう。
シリーズ累計25万部のベストセラー参考書「何を書けばいいかわからない人のための 小論文のオキテ55」の著者。代々木ゼミナール小論文講師を経て、現在は文章力トレーニングの専門家として大手企業の社員研修に多数登壇。合同会社ロジカルライティング研究室代表。