先日の「大事なことほど書き忘れる」という話の続きです。
今回は「面白いことに触れているのに、自分で気づいていない」というケース。
若い独身男性の方の文章です。
《僕は料理が好きです。
小さい頃からお母さんが料理するのを横で見ていました。
一人暮らしを始めて、自分でも作るようになりました。
ユーキャンで料理の勉強もしました。
料理をするようになると、外食に行っても
いろいろ細かいことに気づくようになりました。》
どうでしょう?
月並みな文章に思えました?
それともマザコンぽいとか思いました?
それより、何か妙な点に気づきません?
「ユーキャンの通信講座で、料理まで習えるんかい?!」
むかし、ユーキャンで「実用ボールペン字」を習ったものの、途中で挫折した経験があります。
でも、赤ペンの添削はとても丁寧だった。。。
そう、ユーキャンって「答案を出して赤ペンで添削される」というイメージがありますよね。
でも料理ですよ、料理。
どうやって「添削」するんだろう???
独身男性が通信講座で料理を習う。
お母さんの料理を見ていた話より、よっぽど興味を引きません?
《ユーキャンで料理を習えるのをご存知ですか?
教材のレシピ通りに料理を作ったら、
その「写真」を送ってアドバイスをもらいます。
母にも作ってあげられる腕前になりました。
「盛り付けだけはプロ並み」と褒められます。》
月並み感もマザコン感もなくなりました。
お母さんは思い出ではなく、オチ要員に使われています。
シリーズ累計25万部のベストセラー参考書「何を書けばいいかわからない人のための 小論文のオキテ55」の著者。代々木ゼミナール小論文講師を経て、現在は文章力トレーニングの専門家として大手企業の社員研修に多数登壇。合同会社ロジカルライティング研究室代表。