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高校授業料無償化に続き、今度は大学にも無償化の話が浮上しているようです。

「貧しいために教育の機会が奪われるのは不条理だ」
「奨学金の返済に苦しむ卒業生が多い」

だから大学も無償化して、国民の教育負担を減らしてあげようという理屈のようです。

 

しかし、本当の問題は

「大学を出ても稼げなくなっている現実」にあるのではないでしょうか?

 

もし大卒の方が高卒よりはるかに高い収入が得られ、簡単に学費の元が取れるなら、

借金してでも大学を出る価値はあります。

大学進学にお金を使うことは本来「投資」だったのです。

返済型の奨学金はそういう意味で「投資型の借金」でした。

 

卒業後に奨学金を返せない社会人が増えているということは、

いまの日本では大学進学が「投資」ではなくなっている、ということです。

「大学を出る=稼げる」にならなくなっている、ということです。

 

 

それなのに国が負担してまで大学を無償化しようという話になっているのは、

「投資にはならないが、一応大学くらい出ておかないと(たぶん)もっと苦労するから」

という後ろ向きの理由で誰もが大学に行きたがるから。

 

つまり、大学の学費が「投資」ではなく「必要経費」になっているのです。

経費だから、「できればお金を出したくない」という節約論になってしまっているのです。

 

投資としての意味を失った大学を無償化したら、どうなるか?

学生は「どうせタダなんだから」というモチベーションになり、

教員も「どうせタダなんだから」というクオリティになる。

目に見えています。

 

いまの大学教育が時代に合っていないのかもしれないし、

若者を活かせない企業が悪いのかもしれませんが。

いずれにせよ、大学の無償化を議論する前に、

大学を「借金して入っても元が取れる投資先」にする方法を考えるのが先でしょう。

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